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KAWASAKI Z1/Z2の違いについて

2021.05.21 column

Z1
「ニューヨークステーキ」という開発コードで呼ばれ、
並列4気筒DOHCエンジンを搭載したZ1。

それまでの国産の最高排気量であったホンダCB750フォアを駆逐する
世界最高レベルのバイクとして開発された。
アメリカとヨーロッパで主に販売されたが、仕様は若干異なった。

初期型Z1の仕向地による差異

アメリカ仕様 1 シートベルトがない
2 フォークとリアショックのリフレクターがフロント黄、リア赤
ヨーロッパ仕様 1 シートベルトがある
2 リフレクター部にメッキ仕上げのカバー
3 ロングタイプのリアフェンダー装備
(一部のみ)

Z2は日本の750cc以上自主規制が生み出した国内仕様の名機である。

元々、生産台数で比較するとZ1はZ2の5倍ほどであった。
(※Z2の生産台数は推定2万台)

1988年、日本で自主規制が解禁になった際に輸入された大量のZ1。
そのZ1のための部品取りに使われ、台数が減ったZ2。

この出来事は、両者の希少性を更にわけ、Z2の希少価値を上げた。

発売当時の値段

値段 Z1 約571,500円(1895$/1$≒301.5円)
Z2 418,000円

2021年5月現在の相場

値段 Z1 約280万~660万
Z2 約450万~788万

Z2はZ1と比べると性能は劣るものの、メイドインジャパンで国内で使用され、保存され続けている点も評価が高く、Z1よりも高値で取引されている。

しかし、実際に乗るのであれば、パワフルで当初の設計時から903ccであったZ1はトータルバランス、エンジンのパワーが違い、スピードも出る。

エンジン
Z1エンジン

Z1/Z2
初期型Z1、Z2はすべてブラックペイントエンジン
Z1A/B
Z1A/Bはアルミ地肌のシルバーエンジン
総排気量(cc) Z1 903
Z2 746
ボア×ストローク(mm) Z1 66×66
Z2 64×58
圧縮比 Z1 8.5:1
Z2 9.0:1
最高出力(ps/rpm) Z1 82/8,500
Z2 69/9,000
最大トルク
(kg-m/rpm)
Z1 7.5/7,000
Z2 5.9/7,500
ボア×ストロークに当たる部分は、ピストンの大きさである。
Z2は、Z1よりもこの部分が小さくショートストローク。
キャスティングピストンキット
Z1用キャスティングピストンキット

旧車のオーナーは比較的年齢層の高い方が多く、手にする理由は「青春時代を共に過ごした、または、青春時代に憧れていた」バイクであることが多い。

バイクを通じて青春時代を蘇らせる――

そんな思いで手にするのであれば、価格はプレミアムであっても少しも惜しくはないものである。

以下は、細部の違いである。

キャブレター
Z1キャブレター

形式 Z1 MIKUNI VM28SC
Z2 MIKUNI VM26SC

スピードメーター
Z1スピードメーター

表示 Z1 マイル
Z2 km

※日本ではマイルでは車検が通らないため、kmに変更となった。
弊社ではマイル表示を、km表示に変える車検対策商品も取り扱っている。

マイルメーター用KM/Hステッカー
Z1用車検対応マイルメーター用KM/Hステッカー

フューエルタンク

容量(ℓ) Z1 18
Z2 17

サイドカバーエンブレム

Z1
Z1初期型
Z2
Z2
Z1
Z1後期型

速度警告灯の有無
Z2
Z2はヘッドライト上部に速度警告灯がある。
Z1
Z1は速度警告灯がないので、カバーで穴を埋める。

Z1
Z1はカバー
Z2
Z2は速度警告灯

コーションラベル
Z1コーションラベル

Z1
Z1/ENGLISH
Z2
Z2/日本語

パネルステッカー
Z1パネルステッカー

Z1
Z1/ENGLISH
Z2
Z2は日本語。

旧車の宿命ではあるが、昨今、状態の良いZ1・Z2の台数は減少傾向にあり
今後も価値は上がり続けると予想される。

既にZをお持ちのオーナー様も、これから乗られるオーナー様も、
どうぞ価値あるZを大切にしてください。